理事長所信

2022年度理事長 槙塚 賢治君が掲げる理事長所信です。
この所信を元に、高松青年会議所のメンバーは活動を行います。

理事長

公益社団法人高松青年会議所
第62代理事長 槙塚 賢治

スローガン

「Over Drive」
~昨日の自分を超えていけ~

基本方針

  1. 会員の資質向上と組織変革
  2. 新時代に適した運動の展開
  3. 持続可能な地域社会の実現
  4. 社会課題解決に必要なSDGs推進
  5. 未来を担う人材の創造
  6. 会員相互の絆と新たな繋がりづくり

理事長所信

誰かに与えられる問題と解答に価値はない
大切なことは、自分で問題をつくり自身で答えを導き出すことだ
そして人は一歩前に踏み出すことができる
誰かに与えられたものではない、私たちのための幸せな未来に向けて

はじめに

新型コロナウイルスの感染拡大により、私たちの日常生活は大きく変わりました。そして、急激な社会環境の変化によって、これまで問題にされていなかったことが社会の問題として浮き彫りになってきています。その結果として、感染拡大以前の状態に戻るのでなく、これまでの常識が通用しなくなるニューノーマル時代へと変化しています。そしてこの変化は、人々の生き方や働き方に大きな変化をもたらし、私たちはこの時代を如何にして切り開いていくかが問われています。私たちが暮らす高松では、子どもたちが将来安心して暮らせる持続可能なまちづくり、社会全体の問題を自分ごととして捉え社会貢献するひとづくりなど、未来に向けて解決すべき課題が山積しています。この課題に対して、私たちと地域が意欲と熱意を持ち、強みや魅力を活かした取り組みを自主的かつ主体的に行わなければなりません。持続可能なまち高松の創造に向け、私たちが未来も生き続け、次の世代に未来を残す存在であることをしっかりと認識することが必要です。未来をより良いものに変えるために、自分たちが変化することが求められている今、大きな社会変化の中で人と地域の活力を生みだし、激動の時代を切り開き、誰一人取り残さない持続可能なまち高松を創造していかなくてはなりません。

生涯をかけて学び続けよう

第4次産業革命により急激な産業構造の変化が起き、社会に出てからこれまで培ってきた技能や知識も、新たに学び直しをしなければ、変化に取り残されてしまう時代がきています。ましてや、人が100年も健康に生きる時代が到来しており、従来の教育・仕事・引退という人生の3つのステージを送るモデルは通用しなくなっています。環境やライフステージに応じて、常に学び続け、自らを振り返りながら、必要なスキルをアップデートしていくことが求められており、今後は大人になっても新たな技能や知識を習得するための教育の機会を創出すること及び人的ネットワークを蓄えることが重要になります。
私にとって青年会議所は、一言で言い表すと「青年経済人の学校」です。一度社会に出てからでも、改めて社会に必要な技能と知識を学び吸収できる場所です。高松青年会議所(以下「JCI高松」といいます。)において、様々な事業を通したくさんの同志と出会い、コミュニケーションを取り切磋琢磨してきました。様々な事業を構築するために、たくさんの文献や資料を調べ、志同じうする者相集い力を合わせ、納得するまで意見交換を行います。そして、十分な準備をした上で事業を実行し、事業に対して検証を行います。その過程を通して青年経済人として必要な技能や知識を身につけます。また、新たに学び考えるという行動は、個々のスキルの成長とともに企業の発展のためには必要な過程であり、青年会議所活動の大事な一つの要素だと考えています。そして、青年会議所で学び吸収した技能や知識や構築した人的ネットワークを得ることは、40歳で卒業を迎えた先の人生で必ず活躍すると信じています。

新しい時代に適した運動を広げていこう

JC宣言は、2020年に時代の背景に対して私たち青年経済人がどのように向き合うべきか、今の時代のあるべき姿が変化したことにより生まれ変わりました。また、改定は外的要因だけではなく、青年会議所の内的要因も改定の要因であります。日本国内の人口減少が続く中、青年会議所の会員数も年々減少しており、会員拡大は大きな課題となっています。そこで、時代にそったJC宣言を朗読することで、組織が目指す理念を共有する例会の場を創造しなければなりません。また、JCI高松が一丸となり多様化する社会課題に対応するためには、様々な分野の専門家とパートナーシップを結び活動のインパクトを高めるとともに、社会の在り方や価値観の変化に順応し、より良い影響を与えることのできる組織となり、社会課題の解決に向けて持続的な運動を起こし続けていく必要があります。いつの時代であってもそうであったように、青年会議所は時代の流れを捉え、今まで築いたネットワークを活用することで、社会課題の解決に向けて活動を推進しましょう。
そこで、社会課題の解決に向けてより良い変化を起こす運動を構築するために「JCIアクティブシチズンフレームワーク(以下「ACF」といいます。)」の活用を推進します。そして、ACFは「分析・展開・実行・検証」で構成され、より良い変化を起こす手法でありますが、この手法を用いることで事業構築だけでなく、家庭や会社にも良い変化を起こすことができます。社会課題における理想と現実のギャップを埋め、市民の考えや行動を変える運動を広めていきましょう。

持続可能な社会を築こう

2015年9月、持続可能な世界を実現するために国連で採択されたSDGs。自治体、経済界のみならず教育の現場でも取り上げられるなど、SDGsに対する取り組みを如何に継続し発展させていくのかが重要となっております。まち・ひと・仕事のあらゆる分野において、技術の力をテコとして、生活の利便性と満足度を高め、課題に向き合うことが、持続可能な社会という未来を形にするために有効であり、地域の魅力を一層向上させることに繋がります。そして、SDGsの取り組みは解決すべき課題を明確にし、価値を創造していく力が求められるとともに、様々な情報を組み合わせることで、新たな価値をつくるのです。
私たちには今まで行政、各種団体、民間企業、学校などとの築き上げてきたパートナーシップがあります。特にSDGs実践拡大の運動においては、高松市の小中学校で教育実践事業を行い、その成果として子供たちのSDGs認知度向上と実践意識の向上に寄与してきました。さらに、持続可能な社会を築いていくためには子どもたちにSDGsを学び実践する機会の提供と、メンバーに対してSDGs教育の重要性を伝えることを今後も継続して実践していく必要があります。それは、SDGsだけでなく、未来の高松のまちの抱える課題解決のためにも必要であります。
学校教育現場でも持続可能な社会の実現を目指し、SDGsを学ぶだけでなく、実践に踏み出す動きが生まれおりますが、さらに次世代を担う子どもたちが広い視野をもちSDGsの目標達成に向けて問題を自分ごととして捉え考え行動する力を養うことが必要です。そこで、社会課題解決に向けた人材育成のために有識者、教育機関と連携しSDGsの認知度と達成度向上に向けた機会を創出します。また、持続可能な社会の実現のために、子どもたちにSDGsを学び体験する場を創出し、共に交流や実践をすることで、子どもたち一人ひとりがSDGsに取り組む意識を高めていきましょう。

環境にやさしい社会を実現しよう

「世界の食料安全保障と栄養の現状(SOFI※)」の2021年版によりますと、世界の飢餓人口は2020年と2019年を比べて1億1800万人急激に増加し、約8億人と推計されました。また、世界の3人に1人にあたる23億7000万人は必要な栄養素を満たす食事をできておりません。食料不安や栄養不良の主な要因は、紛争、気候変動、経済危機などですが、私たちがこうした国際情勢を知ることは非常に重要であるとともに、2030年までにSDGsの栄養に関する指標の目標達成に向けて取り組むことは必要であると考えます。
香川県では食品ロスの削減の推進に関する法律に基づき、県内の食品ロス削減を総合的かつ計画的に推進するため、令和3年3月に香川県食品ロス削減推進計画が策定されました。日本では年間で612万トンの食品ロスが出ており、国連が行う世界への食糧援助の約2倍もの食料を無駄にしております。本来食べられるにもかかわらず捨てられる食品が毎日一人当たり約132g出されており、4人家族で1年間に約6万円分を廃棄していることになります。私たちにとって世界の食糧の問題は決して遠い国の話ではなく、私たちの健康な心と体を維持するとともに、身近にある重要な課題として取り組む必要があります。そこで、市民に環境に優しいまち高松の実現のために、私たちの身近な問題である食品ロスを通して世界の問題を学んでいただき、学校や民間企業と連携し、世界の問題を自分事として捉え行動する意識を高めます。また、食育の中で子どもたちに誰しも関わっていく「食」を通して、人と向き合い、世界と向き合い、そこから一人ひとりが実践できる社会貢献を学んでいただき、課題に直面した時に創造力と行動力を持ち合わせた人材を創造します。

勝ち抜く強い組織づくりをしよう

ソーシャルメディアが普及したことで、誰でも個人の意見や信念を世界中に発信することができ、あらゆる情報が流通する時代となった今、魅力を伝えファンを増やすことにより組織の成長を促進する好機と捉えることができます。社会の期待に応え、効果的な運動を展開するには、まず、組織運営の持続性や透明性、公正性を明確にし、組織全体が足並みを揃えることで、地域から信頼されるブランドとなることが必要です。次に地域において力強くリーダーシップを発揮し、組織が持つ独自の色を発信することで地域の心を動かし、あらゆるステークホルダーやパートナーとの繋がりを強化します。また、対内広報を実施することは、組織力の向上と組織にブランドという価値観を根付かせ会員の一体感を高めます。さらに、HPやSNSを十分に活用し、各種メディアとの連携によって市民から求められる情報、知って欲しい情報を素早く正確に発信し運動に対するパフォーマンスを向上させ、ブランド価値をより高めることが組織への愛着と親近感につながり、社会に活気を与える推進力となります。情報が溢れかえる現代において、「ストーリー」を発信することが地域の心に触れ、その積み重ねが興味へと変わり、地域とより良い関係が構築された時、組織の推進力となるのです。
ダイバーシティアンドインクルージョンが推進される中、多様なメンバーの特性を活かしてチームの生産性を上げる方法を模索している組織や企業が増えております。そうした中、注目されているのが心理的安全性です。これは、チームのメンバーが、自分の考えを自由に発言したり行動に移したりできる状態を指す言葉で、Googleの発表をきっかけとして、徐々に認識されるようになりました。Googleの社内調査の結果、成果に真に影響を与えるのは、チームに誰がいるかではなく、チームメンバーがどのように協力し合うかが重要であり、評価を気にせず自由に発言するようになることで、チームの創造性は高まることが分かりました。たとえ新型コロナウイルスの影響があっても、職場では常に問題解決のため、アイデアや新たな取り組みが求められ続けます。そこで、チームメンバーの創造力を最大限に引き出し、好循環を生み続ける組織となるために、メンバー一人ひとりが自主的かつ主体的に行動する意識を高め、気軽に意見を出し合うことができる心理的安全性を確保し、勝ち抜く強い組織をつくります。

運動の輪を広げる仲間づくりをしよう

青年会議所は、40歳で卒業しなくてはいけないため、組織を健全に維持し、持続可能な組織を新陳代謝させるには会員拡大が継続的に必要です。また、新入会員がメンバー全員とベクトルを合わせ運動展開していくには、運動の理念を共有するとともに交流し成長する機会が必要です。そこで、新たな時代に求められた人材の能力を引き出す研修を行うために、地域活性化に取り組むとともにメンバーの新しい発想を産み出す機会を提供します。
青年会議所には出向と国際交流の機会があります。国際交流や他地域の舞台と連携することで各地の運動や活動との違いを学ぶことができ、多くの同志との交流を通して自分自身の人生をより豊かにできます。そのためには、積極的に諸大会や諸会議に参加し、そして出向の機会を活用することで、自分の役割を認識するとともに目的意識をもつことが重要になります。そして、広い視野で地域課題に取り組む力を養うことは、人的ネットワークの構築と個々のスキルの向上に繋がります。
新型コロナウイルスの感染拡大に伴いICTを活用したリモート会議等の利用促進を実践してきたものの、多くの事業が中止になりメンバー交流の機会が激減しました。また、JCI高松の設立時よりご支援頂いてきましたJCI岡山との交流や、姉妹JCIであるJCI彦根・JCI水戸・JCIフェニックス・JCI天安との交流、シニアクラブとの交流の機会も激減しました。今後ワクチン接種も徐々に進み通常の生活様式に戻っていることが予想される中、JCI高松の組織力の強化と仲間づくりをしていくためには、メンバーが一堂に会し、コミュニケーションをとり、絆を深めることが必要です。

地域に認められる団体となろう

1957年6月15日、戦後復興間もなく、高松経済の発展を目指しJCI高松が設立され、明るい豊かな社会の実現に向けて運動がされてまいりました。この創始の精神は、現在まで守り続けられ、JCI高松の社会的信頼を確固たるものとしてきました。そして、社会的信頼と運動への影響力を高めるために、2014年に公益社団法人へ法人格を移行しました。これからも地域に認められる団体であり続けるために、住み暮らす地域に根差す団体としてどうありたいかを見つめ直し、組織運営について学ぶ機会を創出します。
 どの組織においても総務は重要です。まずは、市民に認め続けられる組織であるために財政・コンプライアンスの確認態勢を強化します。そして、地域に求め続けられる組織となるために私たちの活動や理念を知っていただく広報が重要です。さらに、パートナーと連携する機会を築き、組織の力に変えていきます。また、実施した事業をより良い状態で継承し地域に好循環を生み続けるために、事業の更なる向上を目指し、実施内容を見直す機会を創出します。

アフターコロナに向けて

私たちは事業を通して多くの方々と出会う中、自己成長に努めるとともに、青年会議所運動の魅力を伝播していくこともメンバーの大切な役割です。そして求められる環境は時代と共に変わっていくのではないでしょうか。一昨年は新型コロナウイルスの影響で大半の活動に制限がかかり多くの事業が中止になりました。一方で、Zoomを用いたリモート会議や現地とオンラインを併用したハイブリッド会議の実施など、いわゆるデジタルトランスフォーメーション(以下「DX」といいます。)が加速しました。本年は、ワクチン接種も徐々に進み通常の生活様式に戻っていることが予想されます。しかし、新たな生活様式の便利さに気づいた私たちの生活は元には戻らず、こうしたデジタル技術とネットワーク技術を活用する流れは幅広い領域で加速し、さらなる変化を求められる一年となります。
今回の危機でデジタル化による破壊的かつ創造的なイノベーションは止まることはなく、むしろその勢いは強まる可能性の方が高いのです。デジタルは自動化による人手不足の解消や、地理的、時間的制約を克服することが可能で、利便性の高い生活を実現し、地域における様々なコミュニティの活力を高めることができます。どの地域にもデジタルは活用のチャンスがあり、新たな価値への挑戦とそれを形にする力を掛け戦略的に活用することで、持続可能な未来を創造していかなければならないのです。
高松市は、ICT・データの活用と多様な人材や人、文化との連携により、様々な地域課題を解決し、持続的に成長し続けるまちの実現に向けて「スマートシティたかまつ」を推進しております。スマートシティ構想には新しいデジタル技術で生産革命を実現し、豊かな生活圏を作り出せる可能性があります。そこで、持続性と地方創生の国に頼らずに自立した地域を目指すための拡大力を持った高松を創造するために、アフターコロナのまちづくりを見すえてDXによる地域社会の成長が学べる機会を提供します。そして、時代の流れとのバランスをとりながら変えてはいけないものをしっかりと持ち、先輩諸兄から脈々と受け継いできた精神を胸に灯し、アフターコロナの時代に合わせた青年会議所運動の在り方を考え活動して参ります。

最後に

JCとは明るい豊かなまちづくりのために行動した結果、自分自身が成長する団体であると考えております。JCに入会する動機は人により様々ですが、入会したからには意義のあるJC活動をするため全力を注いで頂きたいと思います。何のために活動をするのかという目標意識を明確にもつことが大切で、自ら本気でJC運動に挑戦すれば得られるものも多いと思います。そして、JC活動の参加意義と企業経営の目標が何であるかを真剣に考え、そこに共通の目標が見えたとき、JCと企業は必ず両立するという事に気付くことができます。
最後に、自分の限界を決めずどこまでも妥協せず本気で活動をやってみると、会社組織では絶対に得ることのできない友情や感動が手に入ると信じております。

※ The State of Food Security and Nutrition in the World Report