理事長
公益社団法人高松青年会議所
第65代理事長 前田 祐輝
スローガン
Power of Friendship
~友情を通じて異なる視点や価値観を学び成長しよう~
基本方針
- ブランディングと拡大
- 魅力ある団体としての情報発信
- ブロック一丸となっての団結
- 人材育成とリーダーの育成
- 様々な場所での絆づくり
- 規律ある組織づくり
理事長所信
はじめに
高松青年会議所(以下、「高松JC(※1)」といいます。)は、1957年(昭和32年)6月15日、高松を中心とした若手経済人を集め、修練、奉仕、友情を三信条とし、指導力の向上を図りながら地域社会の開発と発展に寄与しようという趣旨をもって創立されました。
戦後復興の後、高度経済成長期、バブル期、リーマンショック、コロナ禍など様々な時代を駆け抜け、高松JCの先輩方は創立以来、明るい豊かな社会の実現に向けて時代とともに変化する地域の直面する課題を解決するため、人材育成や地域活性に注力して活動、運動を展開してこられました。私たちは先輩方が築き上げてきた歴史と伝統を重んじ、感謝し、次世代に継承していかなければなりません。
私はこの高松JCに入会して、他では得ることのできない素晴らしい仲間との
出会いがありました。この出会いは、これからも大切にしたいかけがえのない財産です。青年会議所は、同世代の多様な価値観を持つ仲間が数多く所属し、地域貢献を通じて人間関係の構築やリーダーシップを学ぶ組織です。また、在籍は40歳までと限られた時間だからこそ、本気で事業に取り組むことができます。これまで活動してこられた先輩方の想いを受け継ぎ、「個人の修練」「社会への奉仕」「世界との友情」の三信条の下、今後も地域に必要とされる組織としてすべての方々への感謝の気持ちを忘れず活動してまいります。
高松市の課題
多くの地方都市の課題として、少子超高齢社会や人口減少などの様々な問題があります。高松市も同様の課題を抱えており、地域の中小企業や商業施設の活性化、地域経済の振興などが求められております。
現在、高松市の出生率は1.50であり、65歳以上の割合が25%を超える少子超高齢社会を迎えております。今後もさらに人口減少が進み、市場規模の縮小や停滞が予想されます。
多くの課題は山積みですが、折よく今年は瀬戸内国際芸術祭2025が開催されます。香川県は、これまでの芸術祭で市民の皆様にも芸術が根付き、日常に芸術が身近にある素晴らしい環境や瀬戸内海の島々の美しさなど、景勝地や食の文化は世界中の人々を惹きつける魅力となっております。また海外就航便も増加され、インバウンド需要で多くの来県者で賑わい、今後ますますの経済効果が期待されます。さらに新アリーナや外資系ホテルの建設など、経済停滞を打破するチャンスとなるでしょう。
明るい豊かなまちづくりを実現するためには、ハード面の整備だけでなく地域を牽引することのできるリーダーの育成が必要と考えております。まず、私たちが率先しリーダーシップを発揮して行動し、高松市民の皆様が未来への希望を持てるような事業を展開していかなければなりません。
ブランディングと人材の育成
リーダーの育成が求められる中、私たち高松JCでもメンバー数の減少、また、経験年数の短いメンバーの割合が増加しています。これは多くのLOM(※2)が抱えている課題で、事業を行う際の人員不足など組織力の低下の問題も懸念されます。
メンバー数が減少している今こそブランディングが必須であり、会員拡大と資質向上に力を入れなければなりません。まずは組織としてブランディングを図り、メンバー同士が互いに切磋琢磨して活動し、JCの存在や目的、活動内容を一人でも多くの方々に認識していただく必要があります。その上で、ご理解いただけるよう効果的に情報発信し、同世代の新たな仲間への共感を得ることが会員拡大へつながると考えております。
メンバーを増やし団体としての組織力の強化につなげ、そして、組織構成や定款などを見直し、より良い組織となるため常にブラッシュアップしてまいります。
これは企業でも同じことが言えます。JCでブランディングと情報発信を学ぶことでそれぞれの企業等でも活かすことができ、企業や組織の在り方についても見直す良い機会となります。
デジタル技術を使いこなす
近年、デジタル技術が急速に進化、普及しております。また、先にも述べたブランディングや情報発信などを行うためにデジタル技術を用いることで大きな効率化を図ることができます。生成的人工知能などの最新の技術を使いこなすことは必要不可欠な要素となっており、多くの企業や団体が活用しております。一方で遅れをとっている企業や団体は、デジタル社会からどんどん取り残されてしまい格差が広がっているのが現状です。
私たちもJC活動を行う中でデジタル技術はなくてはならないツールとなっており、最新の技術を常に学ぶ必要があります。デジタル技術を上手く利用し効率化を図ることで、団体としてレベルアップにつながります。その身に付けた技術を使いこなしてブランディングを強化し、情報発信を行ないます。
ひとづくり
高松JCは、これまで教育実践事業、出前事業、わくわくワークチャレンジ(※3)といった青少年育成事業を展開してまいりました。青少年育成事業は、子どもたちが未来への選択肢を広げるために大きな意義があると考えております。特に香川県は子どもたちの自己肯定感が低い傾向にあります。子どもたちには想像力や心豊かな道徳心を育み、将来への選択肢を広げ、人生の価値を高めることにつながるような教育が不可欠です。
私たち高松JCは、高松を牽引する次世代のリーダーである子どもたちに青少年育成事業を通して自己肯定感を高める機会を創出いたします。これまでの実績と信頼を基に、行政や教育機関、企業や団体の地域の皆様にご協力をいただき、今年も職業体験事業を実施いたします。地域社会全体で子どもたちへの教育を大切にし、私たちも子どもたちや地域の皆様と共に成長し、地域や社会を牽引するリーダーの育成に努めてまいります。
持続可能な社会の実現に向けて
私たちは、明るい豊かな社会の実現に向けて、脱炭素とカーボンニュートラルの重要性を強く認識し、積極的に取り組む必要があります。脱炭素とは、温室効果ガスの排出を抑え、最終的にはゼロにすることを目指す取り組みを指します。これにより地球温暖化を抑制し、環境保護に貢献することができます。一方、カーボンニュートラルは、排出された二酸化炭素(CO₂)を同量またはそれ以上のCO₂を吸収することでネットでの排出量をゼロにする状態を指します。
企業や団体が脱炭素・カーボンニュートラルを実現するためには、まずエネルギーの使用効率を高め、再生可能エネルギーの導入を進めることが必要です。再生可能エネルギーには太陽光発電や風力発電などがあり、これらを積極的に活用することで化石燃料の使用を減らし、CO₂排出を削減できます。また、省エネルギー技術やエコ製品の導入、業務プロセスの見直しも重要です。
加えて、脱炭素・カーボンニュートラルの達成には、個々の意識改革や地域社会、国際的な協力も欠かせません。私たちは地域社会と連携し、情報の共有や意識の向上を図りながら持続可能な社会の実現に向けた脱炭素とカーボンニュートラルの取り組みを通じて、次世代により良い環境を残すために、より一層の努力を重ねてまいります。
香川ブロック大会の開催
香川ブロック協議会は、香川県内6LOMの出向者で構成され、日本JCや四国地区協議会と各LOMとの連絡調整機関であり、日頃より協働しております。共通の理念・方針を掲げ、LOM単位で解決できない課題に取り組み、様々な事業を展開されており、香川ブロック一体となって活動、運動を行っております。
香川県は日本で一番小さい県で、香川県内のLOMが集まりやすいという利点があります。その分、香川ブロック内のLOM同士のつながりは強固であり、この利点を活かし長年にわたって交流を深めてまいりました。
本年度、高松JCは香川ブロック大会を主管し開催いたします。緊張感のある厳粛な記念式典と、香川ブロック協議会やLOMの活動、運動に対して市民の皆様より理解を深めていただけるような記念事業、そして、香川ブロック内各LOMの会員同士のネットワークや交流を図れる懇親会を企画、設営します。香川ブロック協議会と6LOMで連携をとり、充実した内容となるように実施いたします。
目的の共有
青年会議所は自己成長の機会を提供してくれる場所です。毎月開催している例会もその1つであり、自己成長とともに組織として必要な情報を共有できる重要な機会です。メンバーそれぞれが違う認識であれば、方向性が定まらず組織力の低下につながります。そうならないために目的やビジョンを共有し、高松JCとして組織の強化を行う必要があります。厳粛な例会セレモニーを実施し、活動、運動の方向性を認識し統一することでLOM全体の結束力をより一層高めたいと考えております。
地域から求められる組織
高松JCは、これまで明るい豊かなまちづくりのために自己成長と組織力の強化を常に行い、市民の皆様や、行政、企業、諸団体の方々と連携し、地域に密着した活動を展開してきております。地域に求められる団体として継続していくためには私たちの活動を広く認知していただき、外部団体への協力を惜しまず組織としての信頼をさらに多く得なければなりません。そのためには、品格ある行動や身だしなみを意識する必要があり、プロトコル(※4)を学ぶことによって地域から求められる組織、人間により近づくことができると考えております。私たちは、地域のリーダーとして青年経済人として人前に立つ機会が多く、常に注目されているという認識を持たなければなりません。プロトコルを学ぶことはJC活動以外でも役に立ち、様々な場面に対応することができます。会員一人ひとりが自覚を持ち、今後も地域から求められる人材、組織であり続ける必要があります。
友情・仲間と成長
JCは様々な業種の会員が所属しており、交流を深め人脈を広げることができます。同世代の仲間だからこそ同じ想いや悩みを共感し、卒業後も続く関係を築くことができます。JCの役職を受けることによって切磋琢磨しながら成長し、同じ目標を仲間で共有することで絆がより深まります。また高松JCの活動以外でも交流を深める機会が多くあり、新たな知識や価値観を身に付けることができ精神や能力が向上します。
JCの出向制度は、高松JC以外の多くの仲間と交流を深めネットワークを築くことができます。香川ブロック協議会、四国地区協議会、日本青年会議所、国際青年会議所など、あらゆる分野、規模の出向先があります。LOM単位で解決できない地域の問題も出向することで解決のヒントを得ることができ、新たな考えや価値観を知る大変貴重な機会になります。また、それぞれの地域で様々な社会問題の解決のために活動している仲間たちと交流することで、モチベーションの向上と個人のレベルアップにつながります。出向して得たことを自社に持ち帰ることはもちろん、高松JC内のメンバーに共有することでLOMとして組織力の強化につながります。
また京都会議、サマーコンファレンス、全国大会をはじめとする諸大会に参加することで普段交流できないメンバーと交流でき、他LOMの活動を知る機会となります。大規模なイベントや式典など、日頃の活動と違う風景を実際に見て肌で感じることで新たな価値観と学びを得ることができます。
その他にも高松JCはこれまで様々なLOMと交流を行ってきました。スポンサーLOMである岡山JC、姉妹LOMである彦根JC、水戸JC、韓国の天安JC、台湾のフェニックスJCと国内外問わず友好関係を築いてまいりました。特に岡山JCの皆様とは、毎年開催地を交互に交歓会を実施し情報交換を行ない懇親を深めております。定期的に交流できる尊敬する仲間がいることは誠に心強く、今後も様々なLOMと良好な関係を構築しLOMの発展及び自己研鑽に努めてまいります。
70周年に向けて
高松JCは来年2026年に70周年の節目の年を迎えます。これまで先輩方が築き上げてこられた歴史を重んじ、全ての方々への感謝を忘れず、今後も活動、運動を展開していく必要があります。
70周年式典・記念事業・懇親会は、行政、シニアクラブ、香川ブロック、四国地区の皆様と連携を図りながら事業を構築してまいります。先輩方の努力で受け継がれてきた高松JCの歴史を振り返り、伝統を継承し、今後の活動に活かしていかなければなりません。また、市民の皆様、行政、諸団体、企業、学校関係者の方々、そして姉妹JCや香川ブロック、四国地区、日本JCをはじめ様々なLOMの仲間たちに支えられて活動してこられたことを忘れず、皆様に感謝の気持ちを伝えることができるようLOM全体で70周年の準備をしてまいります。
最後に
高松JCは、これまでに先輩方が築き上げてこられた69年の歴史があります。70周年に向けて、これまでの活動に感謝と敬意を表すとともに今後も地域から必要とされる団体として新たな時代に向かって歩み続けます。
友情を通じて異なる視点や価値観を学び成長し、魅力ある団体として地域の方々に認識していただくよう取り組んでまいります。
そして、私たち高松JCは、志同じくする仲間とともに青年としての英知と勇気と情熱をもって明るい豊かな社会の実現のために邁進いたします。
※1:Junior Chamberの略、青年会議所
※2:Local Organization Memberの略、各地会員青年会議所
※3:高松JCが小中学生向けに実施している職業体験事業
※4:外交の場や交流の場におけるルールや規則、手順などをひとつの典拠として利用できるようまとめた基本原則