理事長所信

理事長

公益社団法人高松青年会議所
第60代理事長 西川 宗久

スローガン

有志竟成
~新時代の価値を生み出そう~

基本方針

 

  1. 積極的な参加による自己成長
  2. 国際色豊かで安心なまちづくり
  3. 未来を担うひとづくり
  4. 絆深まるブロック大会の開催
  5. 未来を見据えた組織づくりと仲間づくり

 

理事長所信

はじめに

 混とんとする地域の希望となるべく先輩諸兄によって高松JCの運動が1957年から始まり昭和から平成の時代を経て新しい時代令和を迎えました。今、私たちを取り巻く社会と経済の環境は厳しさを増しており、中央集権による画一的な体制によって右肩上がりに経済成長した時代から大きく変化しています。社会の環境面では、生涯未婚率の上昇などを起因とする少子化による人口減少や超高齢社会の進行による社会保障費など負担の増加。また、急速に国籍、性別、年齢などの垣根が低くなったことによる多様性の拡大や絶縁社会とも揶揄されるようなコミュニティの希薄化。経済の環境面では、リーマンショック以降の資本主義が行き過ぎたことによる限界の露呈。また、テクノロジーの進歩や消費の成熟化によってモノからコトへの価値の変化。これらが複雑に絡み合うことによって私たちの社会経済活動に与える影響は大きく、特に若者をはじめとする多くの市民に閉塞感が漂っています。
 一方で、近年は人々の意識変化によって上記の課題を解決に導く取り組みが行われ始めています。例えば社会の環境面では、働きながら育児や介護との両立ができる対策、男女の均等推進についての環境を整備する取り組みが活発に行われています。また、高齢化に対しては社会保障費の増大など消極的な部分ではなく長寿という積極的な部分に着目する発想の転換がなされるようになっています。また、価値観の変化や多様性の拡大によって地域でのボランタリー活動の価値が相対的に増しており人々の注目を集めるようになってきています。経済の環境面では、テクノロジーの急速な進歩と長寿社会への移行により、積極的にトライアンドエラーを繰り返すことの重要性が高まり頻繁に社会実験が行われるようになっています。そして、新たな信用創造が起こりSDGsに代表されるような持続可能性を追求することの重要性が高まっています。
 このような時代だからこそ、高松JCには好機が訪れています。なぜなら高松JCはこれまで長きに渡って社会面、経済面の両面において次代の課題を解決に導くための運動や活動を継続的に行ってきているからです。

誰一人取り残さない社会と経済を実現しよう

 高松JCは長きに渡って「明るい豊かな社会とは何か」という命題に取り組んできました。そのような折、世界中で取り組むべき17の目標と169のターゲットで構成されるSDGsが国連で採択されました。高松JCは、この目標とターゲットを意識してすべての事業・活動に取り組むことによって明るい豊かな社会を実現し、地域社会にインパクトを起こすことができます。
 また、経済活動の領域でもSDGsの重要性が一層増すことが予想されます。なぜなら今の時代、かつて慈善活動とされていた行いでも利益を上げることができるようになっているからです。例えば、ベトナム味の素社は学校給食プロジェクトと題して、子供たちの栄養バランスの悪さに着目をして「量」より「質」というバランスの良い学校給食をベトナムで普及する取り組みを行っています。そして、メニュー設計のソフトウェアを開発し2000校以上の導入を果たしています。このようにSDGsに向かって取り組むことで「相手のため」と「自分のため」を組み合わせ、かつて慈善活動とされていた行いでも経済活動の領域で生かすことに成功しています。
 「持続可能な社会が実現できているか」という命題で見れば世界に先進国はなく、日本も途上国です。積極的に高松JCでSDGsに取り組むことで誰一人取り残さない社会と経済を実現しよう。

積極的な変化を起こす例会を開催しよう

 テクノロジーの進歩によって私たちは今、150年前の明治維新や50年前の高度経済成長期と匹敵するような転換期にあります。この転換によって従来評価されてきた仕事や能力が価値をもたなくなりつつありますが、逆に人間にしかできない能力の重要性が高まっています。また、かつては文化や芸術、音楽など価値の尺度を可視化することが難しかったものが、可視化できるようになりそこから新たな価値が生まれ始めています。このような転換は失政、混乱、敗北の類からもたらされたのではなく、主に成功の結果からもたらされたものです。時代が変わろうともそこで求められるのは、個々の変化と継続に対しての関わり方や一人ひとりの取るべき行動とリーダーシップです。高松JCには個々が経験したことのないこれらを学び、気づきやヒントを得る機会があります。それが例会です。工夫を凝らした出席の依頼から始まり、真心をもった設営や厳格な例会セレモニー、そしてビジョンを具現化した事業を執り行うことでその場にいるすべての者にとって成長の機会を提供することができます。一人でも多くのメンバーが参加し、成長の場にできるよう実りある例会を開催して変化を起こそう。

透明性のある信頼される高松JCになろう

 高松JCが地域に必要とされるには組織及び個人の両面で信頼されるようにならなければなりません。組織として公益法人化以降も着実に信頼と実績を重ねて地域にインパクトを与えてきましたが、さらに財政面や法令面を充実させることで信頼性を高めることが可能です。また、引き続き行政、市民、企業、諸団体、学校などと緊密な連携を取って協働できる体制を強化する必要もあります。様々な運動や活動の場面で常に外部の方からの目線を意識していくことで信頼を得ていかなければなりません。
 信頼が高まることは高松JCの情報の発信力も高めることを意味します。特に2020年から運用予定の5G(第5世代移動通信システム)の世界では、私たちはより多くの情報を簡単に発信できるようになります。しかし、発信される情報が信用に足りるものなのかどうかは発信元の信頼があるかどうかによります。高松JCは信頼を高めつつ、どのようなターゲット層にどのような媒体でどれだけの頻度で情報を発信すると効果的であるのか実践し、そのノウハウを学ぶことでこれまでの方法に頼らない広報を展開する機会を私たちは得ています。
 また個人としては、会議を通してメンバー自身のスキルを向上し、信頼性を高める機会があります。例えば、ロバート議事法といわれる厳粛で合理的な会議システムや行事の運営などの物事の進め方などです。私たちはこの型を正しく守り、伝えていくことを第一として、全メンバーの議論の場である各種会議や委員会は実施されなければなりません。

国際色豊かで安心できるまちづくりをしよう

 少子化と高齢化の進行や若者の県外流出などによる定住人口の減少で高松の経済は今後低迷することが予想されています。これに対する打開策として近年注目を集めているのがインバウンドです。香川県は2018年には55万人の海外観光客が来県し、その伸び率は全国1位です。その一方で、滞在型観光への波及が十分ではないという課題があります。現在、高松市の定住人口1人当たりの年間消費額は約125万円ですが、1人分の減少分を補うために宿泊を伴う海外観光客が8人だけでその年間消費額を補うことができます。この試算からも滞在型観光の重要性が推し量れます。そして、滞在型観光を推進する過程でナイトコンテンツの充実が叫ばれています。私たちは改めて市民や海外観光客の意識調査などを行って根本的な分析をする必要があります。その分析に基づいて長期的なプランを早期に構築し、誰をどのように変えたいのか、誰と協働すればより効果的なのかなどを計画に盛り込んだうえで、事業を実施することで国際色豊かな高松を実現することができます。
 高松は前述のとおり多くの賑わいを創出できる好機を有しています。しかし、そこには安心で安全であるというのが根本にありますが、高松は水災害に悩まされてきた過去があり、また高い確率で起こるであろうとされている南海トラフによる地震への備えも十分とは言えないのが現状です。公助の限界が囁かれている今、高松JCメンバーが積極的に地域の住民と連携を深めることで、地域コミュニティ全体の防災力の向上につなげることができると私は考えています。私たちは行政、市民などの声を拾い上げ、どのように連携を深めていけば防災力を高めることができるのかを学び有事に備えなければなりません。

地域に必要とされるひとづくりをしよう

 私たちはこれまで教育実践事業やワクワクワークチャレンジなどの青少年育成事業を継続的に行ってきましたが、なぜ地域で青少年育成事業をしなければならないのかを改めて考えてみる必要があります。私は2つの理由があると考えています。1つ目の理由は、子供たちの未来に選択肢を増やすためです。国連の推計によれば2007年に日本で生まれた子供の2人に1人は107年以上生きることが予想されています。それは「教育」「仕事」「引退」という3ステージを順に一斉行進する従来の人生設計モデルの終焉を意味し、人生の長さに応じて経験を重ねるマルチステージ化した人生設計の構築が求められるということです。それは、選択肢をもっておくことの価値が今以上に増すことを意味します。私たちが子供たちに対して現在行っている青少年育成事業は、普段の授業では学ぶことのできない機会を提供し、子供たちの選択肢を増やす「想像力」と「創造力」を伸ばすことができるのです。2つ目の理由は、私たちが地域で子供を育む場を積極的にもつ必要があるからです。1980年代までは子供たちは家族や親族で面倒を見ていました。しかし1990年代以降、少子高齢化、価値観の多様化などによって核家族化が進み「家族が社会の基礎単位」という構造が成り立たなくなってきました。その代替として、地域コミュニティを1つの家族と見立てて支え合っていく必要性が増してきました。しかし、現実は不審者などによる目を背けたくなるような痛ましい事件が頻発し、その度に子供たちは地域コミュニティから切り離されて地域での活動は疎遠になっています。こんな時代だからこそ地域を担う私たちが青少年育成事業を行う価値があるのです。安心して委ねられる信頼と実績を背景に、限られた高松JCメンバーだけでなく全員が継続的に取り組むことのできる青少年育成事業を構築して地域に必要とされるひとづくり事業をしよう。

絆深まる香川ブロック大会を開催しよう

 現在香川県は、少子高齢化などによって人口分布が様変わりして住民の生活圏と行政の区割りが必ずしも一致しておらず、災害への備えなど単一の行政機関だけで解決することが困難な問題が生じている。これらを受けて行政機関は連携中枢都市圏構想を掲げて行政機関同士の連携を深めています。しかし、これら行政間の連携はスピード感をもって解決に導くことは容易ではありません。
 一方で、かねてより香川ブロック協議会の6LOMは共通する理念をもち、いち早く連携することができる関係性を築いています。6LOMが所属LOMの垣根を越えた運動、活動の重要性がますます高まることが予想される中、高松JCは香川ブロック大会を主管します。厳粛な記念式典、ニーズに合致した記念事業、参加者にとって思い出に残る大懇親会を実施して、絆深まる香川ブロック大会を開催しよう

地域から世界につながる関係を構築して自己成長につなげよう

 高松JCは国内外に姉妹JCや友好都市との強い友情によって交流の場を有しています。これら世界との友情を継続的にもつことで多様な考えに触れる機会を創出し自己研鑽することができます。また、世界との友情を広げることは、観光交流人口を増やすことにもつながり高松に新たなチャンスを作り出します。さらに、私たちにはこれまで先輩諸兄により培われてきたスポンサーLOMである岡山JCとの友情もあります。おもてなしの心をもってお迎えしてその友情をさらに強め、互いに学び、絆を深める必要があります。
 そして、青年会議所には京都会議や全国大会など諸大会があり、積極的に参加してその機会を生かすことで多くの学びを得ることができます。また、学びを得るという意味においては、香川ブロック協議会、四国地区協議会、日本JC、JCIに対する出向というシステムがあります。その地域だけで解決することが困難な問題に取り組むには、より広い視点をもたなければなりません。また、出向先でLOMとは違った役割を担うことで、その組織の運営や活動から新たな学びを得ることができ、他の地域の出向者との友情を育むこともできます。出向者がそこで得た学びや友情は、高松JCにもち帰った際に新たな刺激となり、私たちの活動の幅を広げる可能性をもたらします。出向が伴わない会員も、より広い視野で運動に参画した出向者から学ぶことで、自らの幅を広げることができます。積極的につながりを構築して自己成長につなげよう。

価値を生み出す会員拡大と他者への感謝の気持ち

 高松JC発足以来、唯一継続してきた運動があります、それが会員拡大です。高松JCで学ぶことは、今後新たな価値を生み出すためのアドバンテージとなる可能性を秘めています。なぜなら「人生100年時代」と言われる今、過去に通用したロールモデルが通用しなくなり私たちは変化する必要に迫られているからです。しかし、人生が長くなり経験を重ねれば重ねるほど自ら変化することが難しくなります。また、自分と似たような人としか付き合っていないことも私たちの成長の足かせになっている要因の1つです。自分について知ることと、自分とは違うロールモデルと付き合って人的ネットワークを拡げることの重要性が増しているのです。その点、高松JCには地域をけん引する20歳から40歳という広い年代の多様な価値観を共有できる多くの仲間がいます。高松JCで新たな価値に触れることのできる生涯の友情を育み、仲間を増やしましょう。また、JC活動を行ううえでメンバー同士の絆はもちろんのこと、家族や会社からの協力が欠かせないのも事実です。精一杯家族や会社に対して普段の感謝の気持ちを表そう。

最後に

 私たちは今、急激に少子化と高齢化が同時進行する、世界でも類を見ない極めて特異な時代に生きています。2010年に約42万人だった高松の人口も2040年には35万人に減少するといわれており、これは全国平均を上回ります。しかし、これは高松だけの問題ではありません。2025年をピークに東京でも人口が減少に転じるとされています。高松はまさにこれから日本全土で起こるであろう問題の最先端地域なのです。これに悲観するのではなく、好機と捉えるべきです。今後、高松がこの危機を乗り越え、全国のモデルケースとならなければなりません。問題の最先端地域である高松JCから日本JC2019年度会頭を輩出することができたのは偶然ではなく必然でありました。
 今、「青年会議所しかない時代」から「青年会議所もある時代」と言われますが、私はそうは思いません。高松JCには、つながりが希薄化している現代社会の中で、同じ目的をもって団結して行動する横軸の仲間がおり、60年を超える歴史をもち多くの先輩諸兄という信頼と実績の縦軸もあります。自己が成長しつつ地域の発展を望む団体は青年会議所だけです。変化に先回りして地域にインパクトを起こしましょう。

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